紀元前3200年頃には栽培されていたというにんにく。エジプトのピラミッド建設に従事した労働者に支給されていた記録があるほど、古くから疲労回復や強壮作用があるといわれてきました。
日本でも古事記や源氏物語に食されていたという記述があります。
抗酸化作用の高いアリインを多く含み、ポリフェノールや食物繊維も多く含まれている健康的な野菜の代表ともいえます。
そのにんにくを高温多湿の所に2週間~1カ月ほどおくと「メイラード反応」(還元糖とアミノ化合物を加熱した時に見られる褐色反応のこと)によって、白いにんにく片が黒色(濃い褐色)に変化します。
※発酵と称している商品もありますが、発酵とは微生物が作用しておこる現象のことで、元々にんにくには微生物が存在していませんし、高温多湿の状態では微生物が死滅するので発酵は起こりません。
メイラード反応で生成される褐色色素のことをメラノイジンといい、抗酸化作用、活性酸素消去活性、ヘテロ環アミノ化合物(発癌物質)に対する脱変異原活性などを有するとされています。
また、色が濃くなるにつれて抗酸化作用も増えていき、例えば、味噌は優れた抗酸化能力を有し、味噌のラジカル補足能力はその大半をメラノイジンが担っており、味噌の色調が濃いほどその能力が高まっているとされています。動物実験では、味噌の摂取で肺癌、胃癌、乳癌、肝臓癌、大腸癌の抑制効果が認められ、味噌の熟成度が高いほど効果が高かったとの報告があります。※日本醸造協会誌 Vol.105 no.11 page.714-723 (20101115) (渡辺敦光氏)
にんにくのメイラード反応は、単純に高温多湿な状況を与えるだけでは不完全な場合が多く、適切な温度と湿度をその反応時期に合わせて調整することで、独特なにんにくの臭いを減らすことが可能です。スパン・ライフでは長年の黒にんにく製造研究によって完全熟成といえるレベルのものを作り出しました。
黒にんにくは、その元々持っている豊富な栄養を効果的にメイラード効果で抗酸化力を高め、また加熱により胃痛や臭いの原因となっているアリシンが無臭のアホエンやS-アリルシステイン等に変化するため、臭いを気にせずに食べることができるようになります。